音楽好きなら誰もが知っているあの白い犬。ビクターレコードの象徴的なマスコット「ニッパー」が、なんと灰皿の中央で静かに座っている、とても珍しいコレクションアイテムを手に入れました。
と言っても今はネットオークションなどで探したら案外見つかるかもしれませんが。。
こちらはおそらく1960年~1970年代のモノだと思います。

His Master’s Voice の物語
この灰皿に描かれた赤い円形のロゴには「HIS MASTERS VOICE」の文字が。これは1899年にフランシス・バラウドが描いた名画「His Master’s Voice」に由来します。愛犬ニッパーが蓄音機に耳を傾ける姿は、まさに「主人の声」を聞いているかのよう。この絵画は後にビクターレコード(現在のRCA Victor)のトレードマークとなり、世界中で愛され続けています。




京都のお店の店舗名が入ってるね!当時物って感じで良い♪
昭和の記録メディア文化
箱に印刷された日本語「ニッパー大行進」の文字から、これは日本のビクターが製造した非売品のノベルティグッズと思われます。昭和30年代頃のレコード業界の隆盛期に、販売店や関係者に配られていた貴重な品でしょう。
当時は喫煙が一般的だった時代。レコード店や音楽関係者のオフィスで、この灰皿が実際に使われていた光景が目に浮かびます。
細部に宿る職人技
- 立体的なニッパー像: 中央に鎮座する白い犬の造形は実に精巧。茶色の首輪、黒い耳と鼻、愛らしい表情まで丁寧に再現
- 鮮やかな赤い内側: コントラストの美しい赤色が、白いニッパーを一層引き立てる
- 実用的な設計: 金色の煙草置きが3箇所に配置され、実際の灰皿として機能的
- 多言語表記: 裏面には電話番号や日本語の文字も見え、当時の販促アイテムとしての性格がうかがえる
コレクターズアイテムとしての価値
音楽史、広告史、昭和レトロ、キャラクターグッズ…複数のコレクション分野にまたがる魅力的なアイテムです。ビクターのニッパーグッズの中でも灰皿は珍しく、保存状態の良いものは貴重な存在。
箱も含めて完品で残っているのは、コレクターにとって垂涎の品でしょう。



可愛いなぁ。。何個でも集めいたい。。。
時代を超えた愛らしさ
禁煙が当たり前となった現代では、もはや灰皿として使われることはないでしょう。でも、音楽を愛する人の心の中で、ニッパーは今も変わらず「主人の声」に耳を澄ませ続けています。
小さな灰皿に込められた、音楽への愛と時代の記憶。それが、このニッパー犬の灰皿が持つ、何にも代えがたい魅力なのかもしれません。